木材について

骨董老紅木/老紅木
老紅木は家具業界では紫檀・紅酸枝とも呼ばれ、楽器や家具の材料となる高級木材です。
主な産地は東南アジアや中国雲南省などで、二胡の材料として使われている老紅木は殆どが東南アジアから輸入されたものです。
老紅木の木目は最初は赤や茶色ですが、時間が経つにつれて黒くなり、独特の鼻をつくような匂いも和らいでいきます。
老紅木の中でも100年ほど自然乾燥したものを骨董老紅木と呼びます。
十分に自然乾燥された骨董老紅木は、水分や余分な油脂などが適度に取り除かれ、楽器製作には最適な木材です。
現在、各国で活躍している有名奏者のほとんどがこの木材で製作された二胡を使用しています。
黒檀(烏木)
堅木の一種である黒檀は、二胡製作においても高級木材として重宝されています。
産地は主に東南アジアやアフリカで、黒檀の中でも「烏木」と「花檀」が多く使われています。
十三堂楽器が使用している黒檀は、主に東南アジア周辺で伐採された烏木です。
木の繊維がほぼ平行に並んでおり、研ぐ前の状態はまるで炭のようです。
黒檀で作られた二胡は老紅木に引けを取らない音色を出すことができます。
花檀
花檀は家具業界では黒檀材として使われていますが、黒檀より多彩な木目を持ち、楽器製作にも適しています。
花檀で作られた二胡は他の材質のものよりも独特の音色が出ます。
そのため上級者の方や違う音色を楽しみたい方が二本目の二胡として使用されるケースが多いです。
血檀(血紫檀)
血檀は一般的に雪檀、血紫檀、アフリカ紫檀とも呼ばれる堅木の一種です。
原産地は主にアフリカ・インドです。よく紫檀と混同されますが、紫檀とはまったく違った木材になります。
切断面が血液のような濃赤色で、時間が経過すると次第に深茶色に変色していきます。
繊維が緊密なため、蛇皮の振動が二胡全体に伝わります。
インド鶏血紫檀
インド鶏血紫檀は中国宮廷家具などに使われた高級木材です。
成長が遅く伐採まで数十年から100年以上の時間が必要なため、楽器・家具を問わず高級木材として重宝されています。
日本では紅木(こうき)と呼ばれ、三味線の最高級木材としても使われています。
花梨
花梨は古くから中国や日本で家具材として使われてきた木材です。日本では三味線の木材としても広く使われています。
花梨は堅木など紅木類の中でも重量が軽く、艶やかな色に鮮明な木目が入っているため非常に美しいフォルムとなります。
花梨二胡は多くが普及品として販売されていますが、十三堂楽器の花梨二胡は蛇皮との調和を徹底的に研究し、高級二胡にも劣らない音を出すことができます。
桐(琵琶・中阮・板胡の音響板)
梧桐(桐、きり)は、ゴマノハグサ科の落葉高木で、箪笥などの家具に使われる木材です。
楽器では琵琶・古筝・琴・板胡などの音響板として使われています。
最近はコスト削減を目的とした人工乾燥させたものが多く使われていますが、十三堂楽器では自然乾燥した桐のみを使用しています。
自然乾燥材を使った楽器は寿命が長く、反響性に優れていると言われています。
竹(中国笛の材料)
中国笛の材料は多種多様ですが、よく使われるものは苦竹・白竹・紫竹です。他にも石板竹、香妃竹などが使われることもあります。

苦竹:産地は中国杭州で、笛の材料に最も適した竹です。中でも密麻苦竹、清苦竹、木苦竹を使ったものが良いとされています。十三堂楽器が扱っている笛の材料は全て苦竹です。
鉄心笛は変異種である鉄心苦竹を使って製作されています。特徴は竹節の距離が長く真っ直ぐで、両端の太さが均等なため音程が安定しています。しかも高密度で肉厚なため、味わい深い音色を奏でることができます。

白竹:産地は中国杭州。密度が低い為、普及品に使われます。初心者向けの笛の材料として使用されることが多いです。

紫竹:紫竹は節が多く、見た目も美しいため人気があります。安徽産の紫竹は厚く硬い特性を持っており、中級・高級笛や低音笛に使われます。杭州の紫竹は密度が低く、巴烏・京胡に使われます。